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2010年07月 アーカイブ

2010年07月03日

シャルモGTX

 あまりに感動したので、別に書くことがあるにもかかわらず、先に書いておこう。

 筆者はあの過酷な :p 北日高縦走で軽い靴擦れを起こした。手持ちの縦走・冬期用の重登山靴は、GOROのC-06で、筆者の踵の形状(異様に飛び出している)に合わせて踵部を張り直ししている。これでかなり改善したのだが、中敷きを入れて歩いたのがやはりいけなかったようで(中敷きを入れると踵の高さが上がるため、張り直しした靴の踵部よりも足の踵が上に来てしまう)縦走最終日には水膨れこそできなかったまでも、かなり歩行に差し支える状態となってしまった。中敷きを入れないと厚手の靴下を二枚履いても靴の中で足が動くので、もう少し調整が必要なのだろう。

 そこで、前からどうしようかと思っていた、近ごろの雪山対応登山靴の購入を考えることにした。候補になるのは、

・軽量である
・アイゼン対応
・踵部が柔らかいこと

 の条件を満たしそうな、いわゆる「ライトマウンテンシューズ」というカテゴリーのものである。軽量だから「重」登山靴ではないけれども、2000m級の冬山OKというものだ。どうして厳冬期北アルプスがだめかというと、軽量化のために保温材が入っていないからである。

 このカテゴリーに属する靴で、日本で容易に入手可能なもの(登山靴はバイクパーツのように海外通販を利用するわけにはいかない。なぜなら絶対に試着が必要だからである)は、次のようなものになる。

・LOWA(ドイツ) バイオレGTX(780g/UK8.0)
・HANWAG(ドイツ) クラックセーフティGTX(760g/UK7.0)
・GARMONT(イタリア) タワーGTX(820g/UK8.0)
             エメリーGTX(770g/UK8.0)
(バイオレやクラックセーフティの同等モデルと思われるベッタ・プラス(615g/UK8.0)は、日本ではまだ手に入らないようだ)
・SCARPA(イタリア) シャルモGTX(720g/#42)
・SPORTIVA(イタリア) トランゴS EVO GTX(625g)

 で、都内で登山靴の在庫がもっとも豊富と思われるさかいやスポーツのシューズ館で試着してみた。

 まず、スポルティバ。置いてあったのは720gと表記されていた(ような気がする)から、旧モデルなのか? これはサイズがなかった。一週間程度で取り寄せができるということだが。
 ハンワグは前に一度履いて合わなかったことを知っているので、ローバーのバイオレを。これは履いた瞬間に合わないことがわかった。足先が当たるのである。
 次、スカルパのシャルモGTX。これはびっくりした。靴擦れしているはずの踵に当たる気配がまったくなく、ふつうに歩けるのである。製品自体が優れていることもあろうが、筆者の足型にぴったりはまった感じである。
 これで決まり! と思ったが、念のためガルモントも試してみる。やはりスカルパほどのフィット感はない。しかし総じて筆者の足にはドイツ系の靴は合わないようである。

 というわけでスカルパで決まり。まさか靴擦れしている足で靴合わせができるとは思っていなかった。帰りもこれを履いて帰ってきたが、まったく痛みを感じない。ソールの剛性の高い岩綾・雪渓向きシューズでありながら、着地したときの柔らかさは重登山靴の比ではない。EVAのミッドソールが効いているのか? 最近のライトマウンテンシューズというのは、本当によくできているようだ。競争も激しいようで、たぶんかなり需要があるのだろう。

 しかし、こうやって並べてみると、スポルティバのトランゴS EVO GTXとガルモントのベッタ・プラスの軽さは際立っている。いずれこっちも欲しくなってしまうかも。。。

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2010年07月04日

北日高縦走入門(1)

 北海道には縦走に適した山々がすくない。利尻岳、斜里岳、後方羊蹄山は独立峰であるし、知床は硫黄山以北は立ち入り禁止である。大雪山や十勝連峰はどうなの? と言われそうだが、十勝はともかく大雪山は「縦走」というには、あまりに顕著なピークが少ない。縦走というより逍遥と呼ぶにふさわしい、北八ヶ岳縦走に近いイメージである。トムラウシからオプタテシケ山を経て美瑛岳に向かう(あるいはその逆)縦走コース、これは大縦走と呼んで差し支えないだろう。それはオプタテシケ越えがあるからである。また、大雪山系も十勝山系も、避難小屋が充実し、(特に十勝連峰は)テントを持たない縦走が可能である。食料・水完備の奥秩父や八ヶ岳縦走までの利便性はないものの、ワイルドな魅力にはちょっぴり欠けるところがある。

 日高連峰は北海道外の人間にとってはなじみの薄い山域であろうが、その長さは大雪山系を超える。また、避難小屋はおろか、登山道すらない山がほとんどであり、その登山道にしてもよく踏まれているものの、道標のたぐいは一切ない。

 その未開拓の日高山系にあって、唯一縦走路が存在するのが北日高の伏美岳から幌尻岳までの稜線である。他にもエサオマントッタベツ岳とカムイエクウチカウシ山間にも縦走路があるが、一般的でない。今回は、この北日高、いや北海道を代表する縦走路を紹介することが目的である。

2010年07月05日

北日高縦走入門(2)

 まず、注意すべき点について。

1)縦走路の状態はよくない。地形図で推定できる以上に時間がかかると思ってよい。特に、雨天時は滑りやすい箇所が多く、下りで登りと同じくらいの時間がかかることさえあるだろう。

2)昭文社エアリアのコースタイムは目安にしないほうがよい。テント泊で水を背負って登ると、この悪路のコースタイムは倍加する。エアリアの解説冊子に、この縦走路を二泊三日コースで紹介されている部分があるが、まずふつうの登山者にこの行程は無理だろう。

3)残雪期、アイゼン・ピッケルは原則として不要。七ツ沼カールへの下り口は積雪があるとわからない。滑落の危険があるため、ピッケルとロープくらいはあったほうがより安全であろう。

4)水は雪が残っている季節(七月いっぱいくらいか?)は心配ないと思われる。このコースの水場は出発地点で横切る沢を除くと、伏美岳とピパイロ岳の間の稜線にある1542mコル、ピパイロ岳と1967mピークの間の1793mコル、そして七ッ沼カールの三箇所だが、二つのコルはいずれも往復に30分以上みておく必要がある。筆者は1542mコルでは取水しなかったのだが、1793mのチロル川源頭に関して言えば、渇水期にも下に降りて行きさえすれば、水は得られそうな場所であった。

5)水の安全性はどうやって担保するか? 方法は三つある。煮沸、薬品投入、そしてフィルターの使用である。今回、筆者は燃料のストックを持っていかなかった。そしてフィルターは昨年使用したものを持っていったため、使用不可能であった。そのような予防措置を取らないのであれば、可能な限り湧水に近い水を入手する必要がある。

6)燃料は現地調達するのが一般的。熊除けスプレーも同様。これらは飛行機で運べないことに注意しなければならない。筆者は、今回宿泊予定のホテル宛に通販で送った。熊除けスプレーは幸いなことに使わずに済んだが、高価なため東京へ送り返した。クロネコではこれらスプレーを取り扱わないが、佐川急便はOKであることは頭に入れておこう。

7)ルートは明瞭だがハイマツ漕ぎはあると思ったほうがよい。したがって、半袖のウェアはふさわしくないし、前日雨でも降ると朝方スズタケのなかに突っ込むときにはズボンはぐっしょりするから、レインコートの下を履いておいたほうがよい。

2010年07月06日

北日高縦走入門(3)

 さて、道外からこの山域にアプローチする場合、新千歳あるいは旭川空港から空路を経て来る場合が多いだろうが、地理的に至便なのはとかち帯広空港である。ここから、筆者がやったように、帯広市内に一泊して、早朝タクシーで発つこともできるが、それよりも空港から直接伏美岳避難小屋へタクシーで移動し、ここに留まったほうが朝は楽ができる。燃料や熊除けスプレーの調達をどこかで済ませることが条件となるが。

 伏美岳避難小屋から駐車場がある伏美岳登山口までは徒歩で300mくらい、ここから登山スタートとなるが、伏美岳への登りはほかの道外の山とさほど変わったことはない。しかし、地形図でみるよりも長く感ずるかもしれない。1150mくらいからはじまる平坦部に達しても、まだ行程の半分には届いていないのだ。1400mから再び急登がはじまる。最後の九合目からは、秋に訪れるとハイマツに混じった潅木の紅葉を見ることができる。他ではなかなかみることができない風景だと思うが、いかがであろうか。

 伏美岳の山頂へ着いたら、まずやっておきたいのが、山座同定である。地形図をみてみればわかるが、ここから山稜は戸蔦別川を左手に見下ろすかたちで、反時計周りに進み、戸蔦別岳でほぼ180度旋回をすることになる。

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 右手の鋭峰が戸蔦別岳、そこから続く稜線は神威岳からエサオマントッタベツ岳へ続く北日高の稜線(登山道はない)で、その稜線から南側へ外れた、戸蔦別岳の左側に見える大きな山が幌尻岳である。

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 縦走路、正面に見える尖った山がピパイロ岳。

2010年07月07日

新版 グローバリゼーション

 通勤時間が短くなったり、さまざまな趣味の情報収集に時間を取られたりと、なかなか読書のための時間が取れていないのが現状である。今年の十月からは状況が変わるはずなのだが。

最近の購入
 ナボコフ「賜物」河出書房新社
 アガタ・ファセット「バルトーク晩年の悲劇」みすず書房
 ヴェルナー・ゾンバルト「戦争と資本主義」講談社学術文庫

最近の読了
 マンフレッド・B・スティーガー「新版 グローバリゼーション 一冊でわかる」岩波書店 B2

 よくもわるくもないふつうの評価である。政治経済的な意味で語られることが多いグローバリゼーションという概念を、「文化帝国主義」や宗教的グローバリゼーションという観点をも踏まえて多面的に考察し直すのは、9.11の勃発以降はむしろふつうのスタンスであろう。筆者は手放しのグローバリゼーション賛成派ではなく、サミール・アミーンらの不均衡発展の理論や、ウオーラーステインの近代世界システムの考え方を踏まえて、グローバリゼーションのひとつの帰結である途上国の先進国による収奪に対しては批判的な立場を取っている。

 しかしこれもある意味ありきたりな理論的帰結なのだが、グローバリゼーションによって利益をあげる資本の味方は「国家」なのである。先日も日本の起業家がシンガポールへ流出する事態が生じているという報道があったが、税制上の優遇措置で企業の誘致合戦が起きれば、企業に対して適切に課税をして富の再分配を図るという政策は成り立たないし、トービン税のような対策がよく挙げられるが、これもそもそも「国家」という枠組みがなければ為替を利用して利益を上げるのが不可能である以上は、国家の存立がその前提となっていることは明らかである。そして当然だがトービン税はすべての国家が同意しなければその効力はない。

 言い換えれば資本は国家を食い物にして利益を上げているわけであり、資本の自己増殖に何らかの歯止めをかけるなら、現状の国民国家というシステムに何らかの変革が要求されることになる。そしてその部分にメスが入れられないなら、グローバリゼーションに対しては分析のみが有効であって、何らかの実効性のある働きかけはほとんどできないことになる。本書を読んでいても、やはりそのような暗い気持ちにならざるを得ない。

北日高縦走入門(4)

 伏美岳からピパイロ岳までの稜線の展望は期待できない。稜線上はハイマツや潅木に覆われているため、それを避けるために斜面に道がついている場所が多く、歩きにくい。雨の日などはかなりスリップしやすく、歩行速度はさらに遅くなることを想定しておかなければならない。ピパイロ岳までの間に顕著なコルが二箇所あるが、ピパイロ岳に近いほうが水場のあるコルである。ここはテント場になっているが、伏美岳山頂ちかくにも一張りくらいのテントを張るスペースは存在する。

 ピパイロ岳も伏美岳と同様に展望はよい。このあたりから北日高らしい、やせた急峻な尾根道になっていく。筆者が九月に訪れたときは、繁殖期だったのかナキウサギの姿をみかけることができた。登山地図に記載は同様にないのだが、伏美岳山頂と同様に、ここにも山頂をちょっと過ぎたスペースに一張りくらいのテントを設営できるスペースはあり、実際に筆者は三日目の泊まりをここにした。

 ピパイロ岳からは戸蔦別川の源流を弧のように巻いてゆくことになる。ここから1911mピークを過ぎて、次の大きな1793mコルを多くの場合テント場に選ぶことになろう。チロロ川源頭からの取水が容易であるからである。水場へのルートは明瞭でよく踏まれている。しかし、往復30分みておく必要がある。ここの水場はエキノコッカスに汚染されている可能性は少ないように思われる。もちろん確証はないから、フィルターを使うなり煮沸するなりしたほうがベターだろう。

 ピパイロ岳から1911mピークを望む。ここから稜線は左へ旋回してゆく

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 1793mコルのテント場から。左は1967mピークから派生する尾根の1857mピーク、右の双耳峰はチロロ岳とチロロ西峰だろう

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 戸蔦別岳からの北日高主稜線。左側の稜線の高まりはエサオマントッタベツ岳だろうか

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 この水場の次には1967mの無名峰が待っている。テント場から見上げるとかなりのハードな登りであることが予想されるが、実際に登ってみるとそうでもない。標高差が170mしかないのだから当然か。1967mからは展望のよい尾根道である。ピークの位置は枝尾根の出方から容易に同定できるが、思ったより距離がかせげていない気がするだろう。1856mのピークにはテントを張れるスペースがあるが、水がないから一般的には適さないだろう。ここから北戸蔦別岳までの間も随分と遠くに感じる。北戸蔦別岳の名標はこれも随分遠くから見えるのだが。

 北戸蔦別岳にもテントを張れるスペースがある。筆者が到着したときには実際一張りツェルトが設営してあった。ここからはチロロ川へ下るルートが分岐している。そしてそのルートの途中には水場もあるために、チロロ川に沿って走る林道から登った場合、格好のアタックキャンプとなりうる。ただし、数張りのスペースしかないが。

 ここから戸蔦別岳まではまもなくであるが、途中の小ピークを過ぎたところで幌尻山荘からのルートに合流する。ここから道は若干よくなり、ハイマツがカットされている。戸蔦別岳に至ると、ようやく眼下に七ッ沼カールが見えてくる。

 七ツ沼カールと太平洋

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2010年07月08日

北日高縦走入門(5)

 ここで、「正解」は、残雪がない時期なら、眼下の七ッ沼カールへ下降して、そこにテントを設営してしまって、荷を軽くして幌尻岳へ往復してくることである。ただし、戸蔦別岳山頂から幌尻岳山頂までの往復をすると、六時間。それなりに時間がかかることは覚悟しておかなければならない。

 では残雪期には? 実は雪があると七ッ沼カールへの下降ができない。できないことはないが、滑落を覚悟せねばならない。実際、筆者はここで数回滑落した。なので、二日分の水を1793mこるから北戸蔦別岳のテント場まで運び、そこにテントを設営して、そこから身軽になって幌尻岳まで往復する、というプランの方がいいと思われる。もちろん、北戸蔦別岳からチロロ川へ下ったり、幌尻山荘から額平川ルートで下ったり、南へ直進してニイカップ・ポロジリ山荘を目指す、という場合には、そのまま山頂アタックの後、下山してしまったほうがいいだろう。

 残雪期、もし七ッ沼カールへ降りてしまった場合には、無理をしても戸蔦別岳〜幌尻岳の肩の間の稜線へ上がるべきである。戸蔦別岳から神威岳までの北日高主稜線には、道はない。またカールから北日高主綾線へ上がる道筋は、熊と遭遇する確率が非常に高そうである。何とか急峻な斜面を這い上がって登山道のある稜線へ抜けるべきだ。もし、北日高主稜線へ上がり、戸蔦別岳まで戻ろうとすると、標高差350mを抜けるのに、三時間はかかってしまう。

 交通の関係で、最も帰りやすい手段は、もとの伏美岳登山口へ戻ることである。その際に気をつけなければならないことがある。北戸蔦別岳からピパイロ岳への稜線上で、1793mテント場コルへ降りる直前の1967mピークにおいて、山頂から北の1857mピークに向けて、明瞭な道がついている。この道は、想像するに1623mピークから、チロロ川側へ下りるルートであろうが、もちろん地図にはない。悪天下にピークへ登頂した場合、誤ってこのルートへ入る可能性が極めて高い。ピークでは必ずコンパスにて方向を確認したい。

 けっきょく、筆者がいいたいのは、

・決して楽なコースではない
・2泊3日で歩くのはちょっと無理
・残雪期に七ッ沼カールへ下降するのは十分に気をつけよう

 というくらいだろうか。

2010年07月24日

トライアスロンはなぜ鉄人スポーツなのか

 そんな疑問を持つ人間は、自転車に乗ったことのない人間である。

 前にも書いたが、雲取山への主なルートは次の通り。

1)三峰口からアプローチするもの
 伝統的には三峰神社経由で、霧藻ヶ峰〜白岩山〜芋ノ木ドッケへ至るもの。バリエーションとして、大血川渓流釣り場から大陽寺を経て縦走路へ出ることもできる。

2)奥秩父縦走路からアプローチするもの
 これは、もちろん飛竜山からずっと縦走することもできるのだが、それよりも奥多摩湖畔のお祭から後山林道経由で三条の湯へ入り、そこから三条ダルミから縦走路へ合流するコースが取られることが多いだろう。

3)石尾根を経由するもの
 奥多摩駅からずっと石尾根を歩くだけでなく、代表的コースの鴨沢〜七ツ石山のコースもここに含まれる。

4)長沢背綾を経由するもの
 酉谷山や天祖山。タワ尾根などを経由するコースがここに含まれる。もっともチャレンジングなコース。

5)日原谷を経由するもの
 日原林道沿いに日原川を遡行し、尾根または沢沿いに雲取を目指すもの。野陣尾根を登る富田新道、大雲取谷沿いの大ダワ林道、唐松谷沿いの唐松谷林道の三つがここに含まれる。

 筆者はここに挙げた大部分を歩いているが、一般的には鴨沢からの往復が雲取への最短コースとして知られている。しかし、「登山口からの」最短コースという限定を付ければ、じつは5)のコースが最短なのである。しかし、このルートに人影は少ない。それは、日原林道に入るには、自家用車が必要なのである(タクシーは、日原渓流釣り場までしか入ってくれない)。

 では、奥多摩駅から自転車でここまで入ってみてはどうだろうか。誰もが考えそうなことではあるが、ネックが二つある。ひとつは、距離と標高差だ。奥多摩駅の標高は343mであり、到着点である、日原林道から富田新道が分岐してゆく地点の標高は980mくらい。距離は16.5kmである。これがどのくらいきついのか・・・
 もうひとつのネックは、日原林道の道の状態である。日原林道は渓流釣り場のところが起点となっている。そこからしばらく進むと天祖山の東側を走る孫惣谷(まごそうだに)林道を分岐し、そこから日原川沿いに天祖山の南側を走行するようになる。この孫惣谷林道までは未舗装路でも比較的整備されている(トラックの運行があるため、大きな石は排除されているのだろう)が、天祖山登山口を過ぎてしばらくすると、道はとたんに悪くなる。ここ、まともに走ると、かなりの自転車がパンクするだろう。


 さて、いかがなものだったか。ずばり、ここをみていただくのが一番早いと思う。まず、行きは東日原まで36分。標高差150mを考えれば、まあまあのペースであろうか。孫惣谷林道までは何とか自転車に降りずに来ることができたが、ここからはさすがにきつい箇所は降りて自転車を押して歩いた。東日原から富田新道分岐までが8kmで、55分で到着している。平均時速8.7kmは、なかなかよいタイムであると思う。問題は、9時8分にここに到着したときには、すでに疲労困憊していたという事実である。これは、炎天下にハードなアクテビティを行ったため、かなりの脱水状態を来していたからだろう。富田新道は標高1700mくらいから傾斜が緩やかになり、針葉樹の原生林地帯を通過してゆくが、この美味しいポイントを十分に味わうことができなかった。小雲取山を過ぎるころからだんだん元気になってきたが、脱水がよくなってきたからだろうと思う。しかし、何と登山口から2時間3分で雲取山へ登頂できている。ここが最短コースであるゆえんである。

 帰りは、大ダワ林道が崩落のため通行禁止になっていたので(死者が出たらしい)唐松谷林道経由で戻った。けっこう飛ばしたつもりなのに1時間54分かかっているのは、何のことはない、富田新道の方が短かったからである(4.81km、唐松谷林道経由だと雲取まで8.05km)。この林道は、唐松谷に出るまでは急降下してゆき、唐松谷に出た後は延々とトラバース道が続いてゆくという単調な道である。特別な理由がない限りはエスケープルートとして使うくらいで、富田新道を往復したほうがよいだろう。ここを歩いている途中で雷と夕立(というには早い時間だったが)、そして雹が降ってきた。下山したときにはすでに止んでいたので、一時間くらい続いたのだろうか。

 さて、特筆すべきは帰りの奥多摩駅までのサイクリングである。孫惣谷林道分岐までの日原林道の下りはまさにダウンヒル競技状態であり、とてもスピードが出せたものではなかった。ここまでの平均時速が10.2km/hr, 4.61kmの道のりである。ここからは同じ未舗装路でもぐっとよくなり、スピードを出すことができる。東日原までの2.28kmの平均時速は18.8km/hrである。東日原から奥多摩駅までは意外に時間がかかり、24分であった。かなり本人はスピードを出したつもりだったのだが、登りが意外に健闘したということだろうか。奥多摩駅到着が14時38分だから、雲取山日帰りとしては例外的に早い到着であっただろう。

2010年07月25日

スプロケットのガタ

 自分で組んだホイールにスプロケットを取り付けてみたが、どうもガタが出てうまく付かない。どしてだろう?

 と思ってもともと使っていたshimano Deoreハブにもう一度スプロケを戻してみるが、今まで気付かなかったが立派にガタが出ている。あれ?????

 原因は、

「8 or 9速用のハブに10速用スプロケを取り付けたから」だった。

 その場合、「ロースペーサー」というスペーサーを取り付けなければならなかったのだ。

 明日は買いに行けないから、明後日買いに行かないと。。。

2010年07月28日

死刑執行

 死刑廃止論者の前参院議員、現法相の千葉景子氏が、死刑執行に踏み切ったことは、いわゆる「政治的判断」なのだろう。どのような政治的な圧力が彼女にかかったのかはわからない。

 しかし、はっきり言えることは、これで千葉景子氏自身の政治生命は完全に終わった、ということである。死刑執行が民主党政権にとって支持率を上げる要因になると思ったのであれば、現執行部の底の浅さも知れたものである。

 やっぱり自民党に政権を戻すべきか?

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2010年07月29日

織田作之助

 このところ、通勤時間が短くなったうえに、自転車通勤をはじめて、おまけに自宅では自転車整備のための知識を仕入れるために、ほとんど本を読まなくなってしまった。十月からはいろんな意味で読書に費やす時間が多くなるだろう。

最近の購入
 フィリップ・ショート「毛沢東 ある人生(上)(下)」白水社
 宮本省三「リハビリテーション身体論」青土社
 ケン・ビンモア「ゲーム理論 一冊でわかる」岩波書店
 森嶋通夫「なぜ日本は没落するか」岩波現代文庫
 李良枝「刻」
 中上健次「水の女」
 椎名麟三「深夜の酒宴・美しい女」以上講談社文芸文庫

最近の読了
 織田作之助「六白金星・可能性の文学」岩波文庫 B1

 織田作之助はよく太宰治、坂口安吾とひと括りにされることが多く、また確かに彼はその二人の文学を高く評価している。ただ、彼の文学は、他の二人と明らかに一線を画した、というか、性格のちがうものになっている。それは、あくまで彼が「大阪」という土地に密着して作品を書き続けたことにあるように思われる。

 文芸評論的な読み方はいろいろあろう。しかし、あくまで一般読者として、筋を追うことを中心とする素人的な楽しみ方をする場合、作者の「目線の低さ」はこころ温まるものがある。たとえそれが小説作成のためのポーズに過ぎないのだとしても。
 

2010年07月30日

送料

 このところ、さまざまなパーツ類を海外通販で買いまくっているが、ひとつ気付いたことがある。それは、

「送料」

 である。

 何を送るかにもよるけれども、たいがい外国から日本へ何かを送ってもらおうとすると、日本円にして4,000円ほど取られる場合が多い。これはアメリカ、ドイツ、イタリア、フランスほとんど変わらないようなのだが、明らかに他国よりも国際便の送料が安い国がある。

 そう、イギリスである。

 自転車で言うとWiggleとか、ChainReactionCyclesとか、そういった通販の大手が育つのは、この安い送料に支えられているのだろう、と想像する。

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