三週間の年月をかけてついにこの浩瀚な書物を読了した。ふぅ・・・
#さ、次は「高坂正堯著作集全八巻」
#か、「ブルデュー・ライブラリ」か、
#「保田與重郎文庫全三十二巻」
#か・・・鬱だ氏のう

昨日の読了
ハンス・モーゲンソー「国際政治 権力と平和」福村出版 S
カネと体力・気力と暇のある諸子には強く推薦したい一冊。国際政治学、特にリアリスト政治学における金字塔である。
まず、リアリズムとネオリアリズムの「理念」のちがいについてひとことしておきたい。後者は筆者には「アメリカの世界戦略のために役立てる」という目的しかない、浅いものであるように映る(とくにケーガンなどのネオコン系)。本書は全編身も蓋もない議論で貫かれているが、その底流には、第二次世界大戦を抑止できなかった各国外交の拙劣さに対する怒り、そして戦前のユートピアニズムに対する激しい断罪があるように、筆者にはおもわれる。とくにナチズムによって米国亡命を余儀なくされた彼の脳裏には、つねにファシズムの再来の抑止という目的があったのではないか。また、西側にいる学者として、ソ連との関係に多くのページが割かれていることは当然といえようが、ソ連のイデオロギーを非難することなく、共存してゆくことを前提に書かれていることは好感が持てる。アメリカ外交に実利的に使用することができる理論というだけでない、奥行きをもった議論であると思われる。
今となっては、コヘイン/ナイらのネオ・リベラリズムや、第三の波としての構築主義政治学という潮流についてひとこともされていないことが不満に思えるかもしれないが、すべての国際関係論は、少なくともこのモーゲンソーが達成した金字塔を批判的に検討することからはじまるのではなかろうか。彼の残した議論の多くは、今でも十分アクチュアルな要素を失っていないと思われる。
そうそう、Neil YoungとPearl Jamの新譜を買ったことも書いておこう。