
諸般の事情により、今までの読書を中断して、通勤時間帯での小説に読み物を変更してから数週間が経った。今自分が行っていることと、今までの読書との、自分にとっての得失は微妙なものがあろう。
しかし、あと二年は、最低限今のような生活を続けねばならないはずである。
昨日の購入
「太宰治全集4」ちくま文庫
絶版になっていたのを、amazonの古書でようやく入手した。定価の倍以上したが、仕方があるまい。いずれ再版されるような気もするが、それもしかたがあるまい。
昨日の読了
フランツ・カフカ/池内紀訳「城」白水社カフカ・コレクション A
いわゆるカフカ三部作の中では最高の出来の作品と思われる。筆者は、はっきり言って、「失踪者」はそれほどぱっとしない(カフカらしさがない)と思ったのだが、この「城」は「審判」よりもさらに内容・表現ともに深みを増しているように思われる。全世界で、この「城」とはなにか、という文学論文があまたあるということだが、それもよくわかる。
少なくとも、この「城」が、迫り来るナチス・ドイツと何らかの関係がある、というようには、筆者には思われなかった。「審判」と同じ印象になるが、むしろ「城」は、この現在日本社会にも潜んでいるあるシステム、と読み解いた方が、現代性もあるし、よりリアリティを持って読める、というものだと、筆者は考える。