
先日ちょっと書いたように、このごろはアメリカのサザン・ロックやスワンプ・ロックというジャンルに興味(というか、好み)を持っている。前からLynyrd SkynyrdやLeon Russelは知ってはいたんだけどね。
以前の筆者は(たぶん悪い意味で)絶対主義者だった。たとえばクラシックならバッハの「ミサ曲ロ短調」(モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」とか、ベルグの「ヴァイオリン協奏曲」とかも捨てがたいけど)、ジャズならリー・コニッツの「サブコンシャス・リー」(チャーリー・パーカーのダイアルとサボイでもいいかも)、そしてロックならグレイトフル・デッドの「アメリカン・ビューティ」は、
「愛するひとには絶対に聴いて欲しい」
と思っていたのだけど、ザ・バンドの「ステージ・フライト」や、オールマン・ブラザーズ・バンドの「フィルモア・イースト・ライヴ」ならばまだしも、例のLynyrdの "Sweet Home Alabama" (ついでにザ・バンドによる州歌「わが心のジョージア」も挙げておこうか?)や、Leon Russelの「鬼火」など勧めようものなら狂人扱いされるのが落ちだろう。
たしかに、たとえばコニッツなどは、ジャズを相当聞き込まないとその凄さや価値は見えてこないだろう。しかし、 "So What?" と言いたくなる。これを知らなかったからといってそのひとの人生が変わるわけもないし(筆者はむかし、「ミサ曲(ロ短調)を知らなかったら人生において生まれてきた重大な意味がひとつ落ちる」と本気で主張していたことがある。今でも、そのことを主張する人間がいたとすれば、真っ向から否定はしないだろう)、文芸作品の価値はひっきょう読者の鑑賞力で決まるように、音楽や美術の価値も、作り手というよりは受け手が決定するものなのだろう。
余談だが、あの有名な演奏を発見した。この曲の演奏がアメリカ国内では事実上「禁止」されていた頃の演奏のはずである。
http://www.youtube.com/watch?v=Z3T8xr274q8