前に書いた七面山トレイルランニングが、雨天(というより、雷)によって断念せざるを得なかったため、比較的近場で、悪天時のエスケープルートが取れるコースを物色していた。無難なのは、戸倉三山〜笹尾根とか、奥多摩三山縦走とかかもしれないが、かねてから歩いていなかった大菩薩をめぐるコースにしようと思った。それが、牛ノ寝通り逆走である。
逆走とはどういうことか。牛ノ寝通りとは、大菩薩峠から南に延びる小金沢連嶺に向かう縦走路の途中、石丸峠から東へ向かう尾根筋のことである。榧ノ尾山から東側は、ほとんど起伏のない、MTBでのオフロードサイクリングやトレイルランニングの格好のゲレンデとなっているのだが、ここに小菅側から到達することは、時間的に厳しい。東京4:58発の中央線(総武線)各駅停車に乗ると、奥多摩に7:17に到着となる。すると、小菅に着くのが8時を過ぎてしまう。昭文社エアリアのコースタイムでは、石丸峠までが5時間30分、大菩薩峠までが6時間となっている。大菩薩峠着が14時なら、歩けないことはないのだろうが、するとそこなら2時間40分をかけて裂石の大菩薩登山口まで歩かねばならず、バス停到着が17時近くとなってしまう。
ところが順走なら、上日川峠あるいは福ちゃん荘までタクシーを使うことができるから、時間を大幅に短縮することができる。塩山側の登山口である裂石の標高が約900m、上日川峠のそれが1550m、そして福ちゃん荘に至っては1700mであり、1897mの峠との標高差はほとんどないに等しい。これに比べて小菅は650mくらいであり、2057mの大菩薩嶺との標高差は1400mであり、首都圏近郊の山ではかなりのものである。
では、そのハンディを克服するには? 答えは、「走る」である。
小菅の登り口は川久保バス停を選んだ。ここからの取り付きはちょっとわかりにくい(筆者が注意してみていなかっただけかもしれない)。バスを降りたら、すぐにバスの進行方向左側の小道に入るのが正解なようである。ここからは、ひたすら植林のなかを登って行く。途中までワサビ畑がある。この急登がゆるむのが田元橋からの分岐を合わせるモロクボ平である。ここまで約40分弱。ここからは緩い登りになるが、尾根に乗るので気分はわるくない。やがて植林から自然林に林相は変わってゆく。次のターゲットは主稜線に合流する大ダワであるが、その前、ふたたび小菅からの道を合わせると、ほとんど平坦な道になってゆく。大ダワ到着が9:40頃。順調な滑り出しである。
ここからはほんとうにトレランコースである。MTBの轍のあともある。ここからはほとんど走ることができる。1430mの榧ノ尾山までは一気呵成の走りである。
さて、ここからは石丸峠を目指してひたすら登りである。丹波からの最後の登りに似ている(当たり前か)。走ることはあきらめ、早足で歩いてゆく。時々、左側の展望がある。が、このコース全般にいえることだが、あまり展望は期待できない。

左が牛奥ノ雁ガ腹摺山、右が小金沢最高点と思われる。
きつい登りをなんとかこなして、ようやく11時10分に石丸峠。ここは、草原だった。。

ほどなく大菩薩峠。大菩薩嶺がわからみた、峠。

大菩薩領は展望なし。そのまま丸川峠へと下る。さすがに大菩薩嶺を越えると大量の人はいなくなるが、それでも下山するひと、登ってくるひと、いつもの山に比べて、それなりにおおい。峠付近には、若い女性のグループもちらほら。登っていて楽しい山だ(笑)。丸川峠着、0時30分。

ここからはガイドブックによると(三十年くらい前の・・・)「稜線に付けられた道が雨に抉られて歩きにくい悪道」となっているが、そうでもなかった。しかし、急なため、ランニングには適さない。滑らないように慎重に降りてゆこう。裂石の大菩薩登山口に13:10に到着。日曜日を除いて13:20発のバスが利用できるため、これに乗って戻った。しかし、東京に到着するのは、それでも16時を回ってしまった。