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09/06/30

 天気ははっきりしない。オプタテシケ山の中腹までは完全に残雪に埋まっていて、傾斜も上部ではきつく、ここを越えるのは容易ではないと判断された。しかし、ここからトムラウシ南沼のテン場に戻るのも、天候を考えるとかんたんではない。一日停滞することも考えたが、天気の比較的安定している午前中にオプタテシケ山の山頂をきわめることはそれほどむずかしくないから、何とかなるという計算で出発する。ここの残雪部は軟雪で、キックステップを利かせれば滑落の心配はすくないと思われた。問題は、上部でこの残雪部を抜け、どこで取りつくかが見えないことであった。正解は、何も考えずに右側のガレ場を避け、残雪の最も上部まで伸びているところから登山道へ入れたのであるが、それに気付かず、ここで時間をかなり消費してしまった。

 ここで時間と体力を消耗したのがかなり響く。ナキウサギの声があちこちに響く。山頂付近の小ピークふたつにもだまされ、本当の頂上へ辿り着いたのは何と13時。出発から五時間近くかかってしまったことになる。ガスと強風のため、視界は極度にわるく、展望はまったく利かない。稜線には高山植物が豊富だが、何のなぐさめにもならない。

 ここからはとにかく「歩程二時間ほど」とされている美瑛富士避難小屋まで駆け込むしかない。しかしこの強風の中2012mのオプタテシケ山の頂上から1728mの鞍部まで下り、さらに1860mのベベツ岳の頂上まで辿り着くことすら容易ではない。1時間20分ほどで着くはずのベベツ岳まですでに二時間以上かかってしまっている。

 あと1時間で避難小屋まで着くのだろうか? 事前に地形図をよく読み込んでいなかったことが響いてくる。次の石垣山までの登りは距離も標高も大したことはないのだが、細かく変わるその方角によって、風の強さは容赦なく変わり、いっときはまったく足を進められないほどであった。「北海道の2000mは本土の3000mに匹敵する」とは、このことか。しかし、雨足が強くなることもないし、もう夏なのであり、吹きつける風に冷たさはない。つまり、万が一ビバークとなったとしても、凍死の心配はまったく不要である。フリースをもう一枚着込めば十分な気温である。

 石垣山を越えるとあとはひたすらの下りである。この辺まで来るとなだらかな稜線となるせいか、強風もあの吹きさらしの厳しさはない。やがて美瑛富士避難小屋への分岐を右に進み、ほどなく避難小屋に到着した。ほかの利用者は、なし。この天候では縦走予定者も下山したにちがいなかろう。避難小屋は快適であり、水場も近くにあり、長期停滞もまったく不安はない。安全圏内に入ったことを確信した。

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2009年07月05日 14:37に投稿されたエントリーのページです。

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