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インチキ登山

 「クレヨンしんちゃん」の作者の方が荒船山で滑落死されたようだ。トムラウシ・美瑛富士の遭難者の方と同様、ご冥福を祈るほかはないが、現場は事故が生ずるような場所ではないのだが・・・

 一方、北アルプス縦走路の最難関、西穂ー奥穂間の「ジャンダルム」での事故については・・・重ね重ね不運なことが重なったというほかはあるまい。二重遭難、つまり救助者も新たな遭難に遭ってしまう、という事例は過去にもあったが、やり切れないというほかはない。しかし、よりにもよってあの場所で発作を起こすとは・・・


 「峠」についての筆者の考えは、すでに述べた。峠は越えてこそ意味がある、と思うのだ。さて、合併して甲州市となった旧大和村には甲斐大和駅があり、笹子峠の西側、つまり甲府盆地の側にあり、日川(にっかわ)によって作られた谷間に位置している。ここは武田家が織田家と最期の一戦を行った場所として知られており、「土屋惣蔵片手切り」など、それにちなむ史跡が多く残っている。

 合併して市になってから財政に余裕ができたのだろうか、この甲斐大和から、日川に沿って北上する県道218号線をバスが走るようになった。この上流には最近完成なった上日川ダムとそれによって出現した大菩薩湖があり、さらに遡ると、日川の源頭である大菩薩嶺に行き着く。バスの終点は、上日川峠である。標高約1600mのこの峠には、従来標高900mの裂石から登るのがふつうだったが(もちろん上日川峠には駐車場があるから、マイカーでアプローチは可能だった)、公共交通機関を使って、「手抜き登山」が可能になったのである。ここから標高1897mの大菩薩峠までは、まさに「ハイキング」である。もっと楽な方法としては、標高1700mの「福ちゃん荘」までタクシー、という手は昔からあったが。

 さて、こんかい、白毛門のダメージから回復していない身で、どこへゆくか迷ったが、湯の沢峠から北側へ連なる小金沢連嶺を選ぶことにした。ここは取っておきたい場所だったのだが。ちなみに、ここから南へ連なる尾根は、南大菩薩連嶺と呼ばれている。ここは、すでに踏破している。このときの記事によれば、湯の沢峠に着いたのは10:00とあるが、今回は9:53。あまり変わりがない。かなり疲れていたようだ。

 まずここからは、白崩れから名付けられたと思われる白谷ヶ丸へ。ルートは、この白ザレの中を通過する。

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 頂上へ辿り着く前、右側に石碑群を見る。あれは何だろう?

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 頂上には何もないが、ここから黒岳に向かう縦走路が素晴らしい、と思っていたら、すでに山梨県によって認定されていたようだ。

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 そう、この縦走路の特徴として、ほとんど植林をみないことは特筆されてよい。黒岳の山頂を越える頃から、シラビソ(だと思う)を中心とする針葉樹帯となり、一瞬南ア深南部を彷彿とさせる深山感が漂う。南大菩薩連嶺にはこのような場所はなく、草原と明るい疎林が中心であり、かなり雰囲気が異なる。ここは、ヤブあり、落葉樹林・針葉樹林あり、そして明るい草原ありとさまざまな山のすがたをみることができる。

 牛奥ノ雁ヶ腹摺山に向かう鞍部に水場があり、降りてみる。水量はまあまああり。しかし乾季にはかなり下まで降りる必要がありそうだ。

 牛奥ノ雁ヶ腹摺山には12:00前に到着。ここで昼食とするが、展望は曇りのため、利かず。黒岳からこの縦走路には起伏が乏しく、小金沢最高点には12:20に到着。このルート、だいたいにおいてトレラン可能コースだが、それではもったいない。草原と森林の交錯する美を味わうべきコースである。

 小金沢最高点を越えて、石丸峠までの道は、今までの平坦なコースを思うと、多少面食らうものがある。針葉樹林帯のなかの迷路のようなコース(テープが懇切に着いているので見失うことはない)、痩せ尾根を左側に避けるトラバースの歩きにくさ、ここは大菩薩側から歩いた場合、長いみちのりを思って意気阻喪する場所ではないだろうか。しかし心配は不要で、小金沢最高点を過ぎれば道は格段によくなる。

 狼平と呼ばれる草原に出ると、大菩薩湖が眼下にみえてくる。

SDIM0794.jpg

 ここから石丸峠まではすぐである。13:00到着。小金沢最高点を振り返って。

SDIM0795.jpg

 標高1940mの石丸峠から、700mの裂石まで一気に下山するのが登山の作法である。しかし、一ヶ月のブランクから復帰し、白毛門のダメージがまだ残っている(標高差1000mの山で筋肉痛が残るなどありえない・・・)筆者には自信がなく、1600mの上日川峠からバスで下山するというエスケープを取ってしまった。これでは大菩薩登山客を非難できまい。

 とりあえず、有り難いバスなのであった。甲州市ならびに栄和交通に感謝したい。

小金沢連嶺 おすすめ度:星四つ

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2009年09月22日 20:00に投稿されたエントリーのページです。

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