« 大山ナントレ | メイン | 扇山・百蔵山 »

御正体山まで六時間!

 御正体山は道志山塊の最高峰であり、以下のいくつかのことで有名な山である。

・展望がない
・ブナの樹林がよく保存され、山梨の美林百選にも選定されている。
・二百名山に選定されている
・皇太子が登ったことがある

 大きい山であり、東は道坂峠(どうざかとうげ)にて道志の主稜(赤鞍岳や今倉山)に接続し、西は山伏峠にて甲相境界尾根や石割山に繋がっている。

 主な登山コースは次のものである。

1)菅野から登る表参道コース
2)道志川沿いの白井平からのコース
3)山伏峠から奥の院、中の院を通って登るコース(皇太子下りルート)

 が代表的なもので、他に
4)鹿留川沿いの池の平からのコース(皇太子登りルート)
 の四つが地形図に書かれており(以前池の平コースは書かれていなかった。皇太子登山によって正規ルートへ昇格したか?)、
5)道坂隧道(どうざかずいどう)コース
 は地形図にはないが、やはり比較的古くからあるルートのようである。以前、筆者はこのスルートを積雪期に登り、ハマった。あのときはラッセルで五時間半かかっているが、今は積雪期でない。いったい、どんなルートで登ると六時間かかるのか、想像できるだろうか?

 起点は富士急の十日市場駅である。地形図をみると、十日市場駅の東側と西側にそれぞれ破線が延びているのがわかる。これを利用して、尾崎山へ登ってしまおうという趣向である。

 事前情報として、697m鉄塔からこの山に登れることは知っていた。そして、この鉄塔へ辿り着くいちばんわかりやすい方法は、東桂駅からこのあたりへ行き、取りつくことらしい。また、車窓から「田原の滝」と書いてあるあたりは、運動公園になっていて、この右側(東側)の破線から鉄柱の巡視路に沿って登山道が整備されていることは容易に想像された。それではつまらない、というわけで、左側(西側)の破線から取りつくことになる。

 例によって、このあたりで薄い踏み跡は追跡不能となる。こちらの尾根に乗ってしまえば、尾根伝いに鉄柱へ行けると判断、強引に登ることにする。こういうことをするから体力を温存できないのだが・・・

 でも、読み通り697m鉄柱のひとつ東(左)側の鉄柱に辿り着いた。ここに、「遊歩道」というプレートがあり、びっくり。シカによって思い切り掘り起こされている道で、人間は数年間通っていないという感じの道であった。。。

 698m鉄柱のところには「登山道」の赤プレートが。しかし、元来た道と、東桂側へ降りる道にしか道標がない。地形図からみてもここは南側へ上っていかなくてはならない。あたりを見回ると、細い電線沿いに、道が上方へ延びているのを発見。ここを登っていくと、800mあたりに集合アンテナが建っている。ここを超えてしばらく歩くと尾崎山である。8:30到着。歩きはじめが7:21だから、約一時間ちょっとで到着。いいペースである。

 さてここから。事前の地形図の予習で、このピークはいかにもそのまま直進して菅野川の方向へ引き込まれそうだなーと思っていたら、本当に引き込まれてしまった。ここ、引き返さずに無精をしてトラバースで南側尾根へ移ろうとしたら、かえって時間と体力を浪費してしまう結果となった。ここで20分のロス。

 次の895mピークは気付かないかもしれない。筆者はここのピークを目指して登っていると思っていたら、いつの間にか1199mピークへ登っていることに気付きびっくりした。ここの登り、地形図の等高線から受ける感じよりはずっと緩いかんじである。登り着いた先が文台山。10:15着。ここで二時間弱かかっているのはちょっと掛かりすぎか。

 この尾根を左(東)へそのまま下れば細野集落であり、道標にもそのように書いてある。ここは標識のない南側の尾根に入らねばならない。このあたりから、小ピークには必ずといっていいほど複数の踏み跡があり、正規ルート(御正体山へ向かう尾根)のほうが踏み跡が薄かったりするので、あくまで地図を呼んで自信を持って進まねばならない。

 このあたりから徐々に尾根が細くなってくる。この1320mピークのあたり、岩稜が出てきて痩せ尾根であり、とくにここを下りに取る場合、細心の注意が必要である。しかし逆に岩稜で細い尾根ということは見通しが利くと言うことでもあり、杓子山・富士山の絶好のビューポイントとなる。

 この山頂、字が消えかかって読めない標識があったが、こちらのblogによると「ハガケ山」と書いてあったようだ。この五年間にこのルートはかなり荒廃してしまったようで、道標はあるものの分岐にはまったくなく、役に立たない。またハガケ山から先は潅木によってルートが塞がれていて、かなり歩きにくい。11:30ハガケ山。

 ここで時計をみて愕然とする、御正体山へは11:00くらいには着くつもりでいたからだ。しかし奥高尾ならともかく、バリエーションルートでかなりのロングコース、むしろ時間的には健闘しているほうかもしれない。ここからさらに進み(ここまで来てもやはりルートファインディングには細心の注意を払わなくてはいけない・・・)、池の平ルート、菅野ルートと次々合流し、御正体山山頂へ着いたのは何と13時! 正確には、前回(積雪期)と同じように、5時間40分くらいかかっていることになる。

 さて、ここから山中湖畔の平野へ降りることになるが、平野から新宿行きの高速バスに乗るためには、15:25までに着く必要がある。山頂には「山伏峠バス停まで2時間40分」とある。間に合わねえじゃないか!!!

 で、ここから先はトレランモードとなる。落ち葉が積もった柔らかい道を一気に駆け降りる。ここはかなりトレランとしてはお勧めの道である。山伏峠と石割山への分岐まで一時間で降りてしまう。ここから当初の予定では石割山を経て平野へ降りる予定であったが、さすがにそれは無理と判断、おとなしく山伏峠から県道を平野へ降りた。

総括:
1)このルートは、(超)健脚向きである。
2)このルートは、ヤブ漕ぎが必要である。
3)このルートは、テクニカルなむずかしさは必要とはされない。
4)このルートは、地形図が読めることを必須とする。
5)このルートは自然林が豊富で、一部は展望もよい。

 丹沢・道志山域で、鹿留川の対岸にある、東桂からの杓子山縦走ルートと並んで、屈指のロングコースである。累積標高差は2300mを超える。グラフはこちらである。写真はこちら

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://out-of-date.info/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/1307

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2009年11月22日 00:35に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「大山ナントレ」です。

次の投稿は「扇山・百蔵山」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。