以前から行こうと思っていた富士五湖を取り囲む山々へ行ってきた。
登山は河口湖と西湖を結ぶ湖北ビューラインの文化堂トンネルからはじまる。ここには登山者のための駐車場があるが、誰もいない。無雪期なら考えられないことだ。ここからこのトンネルが貫いている足和田山〜毛無山の縦走路に出て、南側すなわち毛無山に向かう。樹氷が寒々しい。前回の大沢山のように雑木が進路を邪魔することはないが、吐く息も白々しい。
トレースがトンネルの反対側から登ってきていたが、途中で消滅してしまう。山仕事のひとのものだったか。この厳冬期にこのような中級山岳へ登るひとはあまりいないのか。南斜面であり、積雪はそれほど多くなかったが、おそらく雪は雨に変わり、朝の冷え込みで雪の下は氷に変わっていた。アイゼンなしでも登れないことはなかったが、付けたほうが楽と判断して8本爪軽アイゼンを付ける。ここの登りは何ということもなく、一時間半ほどで毛無山到着。名前から想像が付くように、展望はよい。
さてここから十二ヶ岳までの縦走路は破線がついている。冬季に歩くのは危険だろうか? アイゼンは外さず歩くことにする。地形図通り、小さなアップダウンを繰り返し、一ヶ岳、二ヶ岳と順に名前がついている。下りでやや急な場所もあり、部分的にロープもついているが、どうということもない。慎重に降りてゆく。地形図では、最後の150mの登りの等高線が非常に混んでいる。ここをまっすぐ登山路は通過しているようだが・・・
十一ヶ岳からの下降が約40m、ここも鎖やロープ頼りの急下降である。のんびり歩いていたためか、後ろから単独行の男性と女性が一人づつ追いついてきたが、彼らもアイゼンの装着がうまくいかなかったりして、再び追い抜いた。彼らも下降には難儀しているようだ。さて・・・
前には、絶壁が屹立していた。地形図の印象以上だ。ロープや鎖が垂れ下がっているのが見える。このための破線路だったのだ。なるほどね。
ここはとにかくアイゼンを利かせて登っていくしかない。手がかりは太い木の枝や根以外には、雪に埋もれ凍結している。鎖やロープも埋まっており、剥がしてゆく。さすがに軽アイゼンと言っても、8本爪くらいになれば、このくらいの登攀は難なくできる。前爪もピッケルも必要ない。しかし、他の軽アイゼン組は苦労しているようだ。男性はカジタのアイゼンを装着しているようだったが、6本爪だったのだろうか。
で、十二ヶ岳。ここも南側の展望は雄大、西湖と河口湖が眼下に見渡せる。遠く山中湖も見える。
ここからはもう登攀系の道はないと思っていたが、最後50mの下りだけはロープが張ってあった。このロープも切れかけていたり、支点の木が腐りかけていたり、100%信用してよい代物ではなかった。固定ロープを信じてはいけないというのはこの世界の常識ではあるけれど。
次の金山から右に入り、節刀ヶ岳を目指す。ここは無雪期15分(積雪期でもあまり変わらない)の道のりだから、ぜひ寄っていきたい。ここも富士の展望が良好である。
ここから金山分岐まで戻り、右の鬼ヶ岳のほうへ向かう。ここはさしたる難所もなく、ほどなく鬼ヶ岳へ到着。ここは360度の大展望。南アルプス・八ヶ岳・奥秩父とすべて見渡せる。素晴らしい。
ここからは王岳への縦走路は辿らず、西湖畔へ降りる予定である。しかし、赤線ルートは直場集落へ下る道。途中、「絶景」のお花畑からルートは右(西)の尾根へ落ちるのだが、ここを直進して1334mのピークを経由して帰るつもりだった。しかし・・・潅木が多いこと多いこと。しかもその半分くらいがバラ。こんなに辛い下りはないという難ルートになってしまった。ここ、登山あるいは下降に使ったという人はいると聞いていたのだが、踏み跡が見当たらない。
こういう事態になると距離感も何もあったものではない。1334mへの尾根より一つ西側の尾根に入ってしまったことに気付き、けもの道を使ってトラバースする。シカやイノシシやらが縦横に走り回っているかんじのところである。で、1334mピークに達した、と自分では思い込んでいたのだが、ここから西側へ尾根が回り込み、前方に20m以上の標高差があるピークが聳えているのを見て、これはおかしい、と思いはじめる。1334mピークより下でこんなに高いピークはないはずだ。1183mピークか?
ここを直進すると根場集落に近いところへ出てしまいそうだ。ならば、とにかく東へ進んで桑留尾集落にできるだけ近づいておきたい。そう思って、登りにさしかかるよりも手前の平坦な部分から、下に落ちはじめる。でも、おかしい。ここ、全然尾根になってないよ。。。それもそのはず、ここの斜面は真っ平ら、尾根が現れるのは250mくらい下った後であるからだ。最後はこの尾根に乗り、狙い通り桑留尾集落に下り立った。
この南尾根、この部分から1334mピークを経てお花畑に至った場合、バラの潅木群をうまく切り抜けるルートがあるのかどうか、謎である。たしかに、お花畑の中には下へ下る踏み跡はあるのだが、その後は赤テープも踏み跡も見当たらなかったのだが、何かうまい抜け道があるのだろうか。
例によって写真はこちらである。まだGPSの解析は終わっていないが、上記が真相であると思われる。