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奥多摩逍遥

 花も盛りのこの季節、どの山も混まないということはない。奥多摩駅の喧騒から静けさを求めて、東日原へ行く。ここからのバス、小菅方面へ乗る人も少ないのだが、そちらのバスであると行ける山は鷹ノ巣山、御前山、三頭山、そして大菩薩峠くらいになってしまう。東日原は「奥」奥多摩の登山基地であり、四方八方へ登山道が伸びている。中でも、北半分は奥多摩の一種秘境であり、足を踏み入れる登山者は多くはない。南側には石尾根が位置していて、その中核たる鷹ノ巣山へ登る人がほとんどである。なぜ北側のエリアがこんなに人気がないのかわからないのだが、ありがたいことだ。

 東日原からまっすぐ北上すればヨコスズ尾根から一杯水避難小屋へのコースとなる。この東側にある蕎麦粒山へは、途中の川乗橋で下車し、鳥屋戸尾根を登るというセミバリエーションコースもある。そして小川谷林道からはタワ尾根〜ウトウノ頭、七跳尾根、そして東京で最も奥深い山である(筆者は長沢山のほうがそういうイメージだと思っているが)酉谷山へのコースがある。小川谷林道分岐を左に行けば日原林道で、そこからは天祖山、そして雲取山の富田新道、唐松谷林道、大ダワ林道コースが延びている。このように多数のコースを擁しながらいまひとつ人気がないのは、長時間の林道歩きを余儀なくされるからだろうか。しかし、天祖山までの歩きなどものの数ではないから、単によく知られていないからではないか。とにかく川乗橋からの川苔山と稲村岩からの鷹ノ巣山の人気が圧倒的過ぎるのだ。

 先日通った小川谷林道は3.11で崩れて通行不能になってしまったようだ。ヨコスズ尾根から上がることにした。しかし、ふつうに登ったのではつまらない。このコース、途中の尾根を右に延々とトラバースするのだ。そこを尾根伝いに登ってみることにした。
 トラバース道は半分が雑木林、半分が植林という奥多摩によくあるタイプの道だが、尾根は100%自然林である。ふるきよき時代の奥多摩が保存されているかんじ。人の靴跡もあり、まったく踏まれていないわけではないようだが、土は柔らかく、登りでは多少のパワーロスはあるだろう。しばらく進むと尾根は細くなり、アセビなどの常緑低木も出現する。特に困難を覚える箇所はない。この尾根、お勧めである。一度ヨコスズ尾根を通ったことがあるかたに強くお勧めしたい。
 かくして一杯水に着いたのはまだ2時間も経過していないうちのことだった。当初は蕎麦粒山〜川苔山〜本仁田山の予定だったが、逆の西方向へ水源林道を進むことにした。まずは三ツドッケに立ち寄り、そこから西を目指して進む。この時点では酉谷山の一つ手前、1702mピークの東側のコルから北へ向かい、1568mピークから矢岳に向かう予定だった。しかし、間違えて1702m西のコルから酉谷山へ登ってしまったため(すぐ気付いたが)、そのまま熊倉山への縦走路を歩くことにした。長沢背綾から秩父へ抜けるルートは、1)日向沢ノ峰から有間山 2)蕎麦粒山から仙元尾根 3)大平山〜栗山 4)矢岳縦走路 5)熊倉山縦走路 (ほか、酉谷山から大血川渓流釣り場とか、長沢山から太陽寺とかもある)とあるが、このうち4)と5)は双璧を成す長大なルートで、特に後者は途中に酉谷山避難小屋という格好の場所があるため、通常は一泊二日コースとなっている。しかし、ここは以前熊倉山・聖尾根コースから縦走したことがあるので、まだ未踏の矢岳縦走路にしてもよかったかもしれない。しかし、熊倉山縦走路も楽しみがあった。バリエーションルートである宗屋敷尾根を通って帰りたかったのだ。

 肝心の縦走路は半分は植林に覆われているが、細かいアップダウンが随所にあり、体力的な要求は大きいかもしれない。しかし二時間かからず熊倉山へ。軽く食事をし、手前の1451m三角点との間の三角峰へ引き返す。ここから北東の1284mへ向かって延びている尾根が宗屋敷尾根だ。
 さて、この尾根は勧めない。踏み跡は薄く、マーキングに乏しく、きちんと地図と磁石が使えないと、初心者ではルートを外す危険性が高い。かくいう筆者も何と1284mピークからの尾根を外してしまった。ちゃんと磁石使うべきだった。。。下山したのち、川浦谷林道を延々と武州日野まで歩く羽目に陥ってしまった。よいこはちゃんと地形図で確認しましょう。

ジャック様

コメントありがとうございます。年期の入った筋金入りの登山者などではありません。iPod touchのやまちずしか持たずに、磁石で方向を確認せずに間違った尾根を下りてしまうレベルです ;) 最初から行き先を決めずに歩く習性がありまして、まあそういう歩き方も出来るところが奥多摩のいいところだとも思っておりますが。

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コメント (1)

ジャック:

はじめまして

 興味深く拝読させていただきました。私もこの山域が好きでよく行きます。タワ尾根、旧小川谷林道、酉谷山あたりの深い奥多摩が味わい深くていいですね。

 貴殿ご指摘の「ヨコスズ尾根・滝の入峰」の道はおっしゃるとおり自然林豊かで好ましい道で、巻き道を通るよりはるかに味わいがあり、好きです。

 貴殿は相当年季の入った筋金入りの登山者とお見受けいたしました。

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2011年04月18日 23:30に投稿されたエントリーのページです。

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